個人でチェキをいくらで売るか決めるために BOOTH を眺めると、200円から50,000円まで並んでいて、相場が掴めません。
ここで調べたのは、個人が自分で値付けして売っているチェキです。中古のチェキがフリマでいくらで取引されているか、という話ではありません。
理由は、並んでいるものの半分以上が単品のチェキではないからです。福袋、記念グッズのセット、写真集、アクリルキーホルダー。これらが同じ検索結果に混ざります。
実際に数えました。
調べ方
2026年9月1日、BOOTH で「生チェキ」「コスプレチェキ」「撮り下ろし チェキ」を検索し、一覧に出た商品名と価格を集めました。278件、重複を除いて268件。それを目視で分類しています。
| 分類 | 件数 |
|---|---|
| セット・記念グッズ・福袋 | 96 |
| チェキ以外の商品 | 42 |
| 判別できなかったもの | 4 |
| 単品のチェキ(集計対象) | 112 |
| チェキ風カード(印刷) | 12 |
| オンラインチェキ・チェキ会 | 2 |
半分以上は、単品のチェキではない
268件のうち142件(53%)を除外しました。内訳を見ると、なぜ相場が掴めないかが分かります。
- 「福袋2025【松コース】」50,000円
- 「laundry dog Tee 2枚セット」24,000円
- 「くまうま写真集コンプリートセット(5冊)」16,000円
- 「〇〇生誕記念グッズ」— チェキを含むが、アクスタやボイスとの束
- 「チェキ5枚セット」— 単価ではない
「〇〇記念グッズ」がとくに多い(96件の大半)。チェキが入っていることが多いので検索には出ますが、値段は束の値段です。
一覧を眺めて受ける印象は、この142件に引っ張られています。単品の値段を知りたいなら、まず除く必要があります。
単品のチェキは、中央値 1,000円
除外後の112件です。
| 中央値 | 1,000円 |
| 真ん中の半分(四分位) | 700〜1,475円 |
| 全体の幅 | 100〜3,500円 |
BOOTH の価格には「¥1,000〜」という表記があり、これはバリエーションの最低価格です。実際の売値より低く出る可能性があるので、この表記の商品を除いて計算し直しました。中央値は 1,000円のまま動きません。
100円や3,500円もありますが、例外的です。真ん中の半分は 700〜1,475円に収まっています(「〜」表記を除くと 700〜1,500円)。
実物のチェキと「チェキ風カード」は別の商品
チェキ風カードは、チェキの見た目に印刷したカードです。1枚ずつ現像した実物ではありません。
| 中央値 | |
|---|---|
| 実物のチェキ(単品) | 1,000円 |
| チェキ風カード | 550円 |
およそ半分です。
売っている側もそこは区別していて、「チェキ風カード(チェキではありません)」という商品名が実際にあります。同じ写真でも、実物を1枚ずつ作るのか、印刷して複数枚作るのかで、値段の桁が変わるということです。
枚数を作れる商品と、1枚ずつしか作れない商品は、別の商売として値段が付いています。
撮り下ろしでも、価格は変わっていない
ここが調べる前の予想と違いました。
| 件数 | 中央値 | 「〜」表記を除くと | |
|---|---|---|---|
| 撮り下ろし(新しく撮る) | 28 | 1,050円 | 1,000円 |
| ランダム・在庫から | 21 | 1,000円 | 1,000円 |
差がありません。
注文を受けてから撮るほうが手間はかかりますが、その手間は価格に乗っていません。
理由はこのデータからは分かりません。読み方はいくつかあります。買い手が「撮り下ろし」に追加のお金を払う対象を見ていないのかもしれませんし、売り手が手間を価格に反映させていないだけかもしれません。どちらかは、この調べ方では区別できません。
言えるのは、「撮り下ろしにすれば高く売れる」という前提で値段を決めると、実勢から外れるということです。
差が出ているのは、コスプレの生撮影
| 件数 | 中央値 | 「〜」表記を除くと | |
|---|---|---|---|
| コスプレの生撮影 | 13 | 1,400円 | 1,800円 |
上は3,500円まであります。単品のチェキ全体の中央値が1,000円なので、明確に上の帯です。
衣装、スタジオ、撮影そのものの手間が乗っていると読めますが、13件と少ないので、幅を持って見てください。
サイン・落書きの差は、数字が定まりませんでした
| 件数 | 中央値 | 「〜」表記を除くと | |
|---|---|---|---|
| サイン・落書きの記載あり | 19 | 1,100円 | 1,150円 |
| 種別の記載なし | 31 | 1,000円 | 700円 |
差が +100円にも +450円にもなります。数え方で倍以上ぶれるので、この調査からは金額を1つに決められませんでした。
原因は「種別の記載なし」のほうです。この区分には「〜」表記(バリエーションの最低価格)が多く含まれていて、それを除くと中央値が 1,000円から 700円に下がります。母集団が入れ替わってしまっているので、比較として成立していません。
前の記事では「落書き・サイン付きで +100〜300円」と書きました。今回の結果はその範囲を否定しませんが、確かめられてもいません。サイン・落書きで単価が上がること自体は、価格帯の重なり方から見て取れますが、いくら上がるかは、この調べ方では出せないというのが正確なところです。
この調べ方で分からないこと
数字を使う前に、限界を書いておきます。
- 送料込みかどうかを見ていません。商品ページを開かないと分からず、数百円の差になります。この記事でいちばん大きな穴です
- 販売終了した商品も検索に出ます。現役の値付けとは限りません
- 1商品につき1区分で分類しています。「撮り下ろし・落書きあり」のような重なりは、どちらか一方に寄せました。区分どうしの比較は、そのぶん粗くなっています
- 検索語は3つ、一覧の上位のみです。BOOTH 以外の場所(X の直接取引など)は入っていません
- 分類は目視です。商品名から判断しているので、名前に書かれていない要素は拾えていません
いくらにするかは、売り手が決めること
帯を並べましたが、どこに置くかを決めるのは売り手です。
この記事で数字を出したのは、決める材料が何も無い状態を減らすためで、いくらが正しいと言うためではありません。同じ「チェキ」でも、実物か印刷か、コスプレかどうかで、市場が付けている値段は別々でした。自分が売るものがどれなのかが決まれば、見るべき帯も決まります。
決めた金額は、告知の文章にも自分で書くことになります。XにURLを貼ると出るリンクカードには、値段が含まれないためです(告知に何を書くか)。
この記事を書いている SellPage は、個人がチェキを売るための通販ツールです。売り出しを作るときに金額の候補(1,000円・1,500円・2,000円)を出しますが、これは今回のような調査から作った選択肢で、推奨ではありません。自分で入れても構いませんし、候補を無視しても構いません。
値段は、売る人が決めるものだからです。