この記事は、個人が売るために作る場合の話です。推しのカードを自分用に作る、集める、飾る、という話は扱っていません。
チェキという言葉には、自分を撮った写真というイメージがついて回ります。VTuberのように顔を出さずに活動している人からすると、そもそも売り物を用意できないのでは、と足が止まる理由になります。
結論から言うと、写真を1枚も撮らずに売る方法があります。「チェキ風カード」というジャンルです。
実物のチェキと、チェキ風カードは別の商品
チェキ風カードは、チェキの見た目に印刷したカードです。インスタントフィルムで現像した実物ではなく、イラストや作った画像を、カードの形に印刷したものです。
別の記事でBOOTHの268件を調べたとき、この2つは別の分類として数えました。単品の実物チェキが112件、チェキ風カードが12件です。出品する側もはっきり区別していて、「チェキ風カード(チェキではありません)」という商品名が実際にあります。
値段も違います。
| 中央値 | |
|---|---|
| 実物のチェキ(単品) | 1,000円 |
| チェキ風カード | 550円 |
およそ半分です。理由は単純で、実物は1枚ずつしか作れませんが、チェキ風カードは同じ絵柄を何枚でも作れるからです。枚数を作れる商品と、1枚ずつしか作れない商品は、別の商売として値段が付いています。
何が違うと、チェキ風カードになるのか
実物のチェキは、インスタントカメラでその場を撮って、フィルムを現像したものです。被写体が要ります。顔を出さない人がここで詰まるのは当然です。
チェキ風カードは、元になるのがイラストや作った画像で構いません。カメラで自分を撮る工程がそもそも無いので、顔を出す・出さないという話にはなりません。VTuberの立ち絵やイラストを、チェキと同じサイズ・見た目のカードに印刷して売る、という形が成立します。
「チェキと同じサイズ」は決まった数字です。フィルムは86×54mm、写真が写る画面は62×46mm。データの作り方と、コンビニ・家庭のプリンタ・印刷所の選び分けはチェキ風カードの作り方にまとめました。
実物のチェキのまま、顔を写さないという手もある
チェキ風カードに移るのが唯一の道ではありません。実物のチェキを撮りながら、顔をフレームに入れないという作り方もあります。
- 手元だけ写す。サインを書いている手、小物を持っている手など
- 後ろ姿にする。背中から撮る、振り向かない構図にする
- 衣装や小物だけを写す。顔を入れず、身につけているものを主役にする
- マスクや被り物をつける。顔の位置に別のものを置く
この形なら、1枚ずつしか作れない一点物であることは変わりません。実物のチェキとしての値段の付き方も、チェキ風カードではなく実物の側に乗ります。撮る道具と手順は自撮りの記事、写り込む部屋をどうするかは背景の記事にあります。
イラストが手元に無い人には、こちらのほうが早いはずです。顔を出さないことと、写真を撮らないことは、同じではありません。
商品名に「チェキ」と書くとき
「チェキ」は富士フイルムの登録商標です。instax のインスタントカメラとフィルムのブランド名で、一般名詞ではありません。
そのうえで実務として効いてくるのは、買い手が実物と勘違いしないかどうかです。印刷したカードを「チェキ」とだけ書いて売ると、インスタントフィルムの実物が届くと思って買う人が出ます。届いてから食い違いが分かると、返金の話になります。
BOOTHの実例が「チェキ風カード(チェキではありません)」と書いているのは、そのためです。商品名の中で先に否定してあります。
- 商品名に「チェキ風カード」「印刷」と入れる
- 実物のチェキではないことを、説明文の頭のほうに書く
- 告知の投稿にも同じことを書く(告知の記事に雛形があります)
ページの中で3回言うことになりますが、買い手が読む場所はばらばらなので、重なって構いません。
SellPageで作るとき、直したほうがいい場所
チェキ風カードをそのまま作るときは、1つだけ直したほうがいい場所があります。
説明文の記事で置いた雛形には、こういう一文があります。
1枚ずつ現像した一点物なので、同じものは二枚とありません。
この一文は、実物のチェキが前提です。同じ絵柄を何枚でも印刷できるチェキ風カードには当てはまりません。テンプレートをそのまま使うと、事実と違うことを書いたまま公開することになります。当てはまらない一文なので、消すか、印刷物であることが分かる書き方に直してください。
在庫を持たず、注文が入ってから作るという進め方自体は、どちらでも変わりません。撮るか印刷するかの違いはあっても、先に何百枚も刷っておく必要はありません。
顔より先に気になるのは、たぶん本名のほう
顔を出さずに活動している人が本当に止まるのは、売り物の作り方ではなく、自分の身元が表に出ないかのほうだと思います。売るには決済が要り、決済には本人確認が要るからです。ここは3つに分かれていて、それぞれ別の記事にしました。
- 身分証や口座を、運営に見られるのか。Stripeへ売り手のブラウザから直接送られ、SellPageを経由しません(本人確認の記事)
- カードの利用明細に本名が出ないか。何もしないと出る作りになっているところを、連結アカウントを作る時点で塞いであります(明細と本名の記事)
- 特商法の表記に氏名・住所が載らないか。「請求があれば開示する」の一文で代替していて、表に出るのは活動者名だけです(住所は知られるのかの記事)
顔を出さないことと、本名を出さないことは別の問題です。チェキ風カードで前者は解けますが、後者は決済の側の話なので、上の3本を先に読んだほうが早いはずです。
この記事を書いているSellPageは、個人がチェキを売るための通販ツールです。テンプレートは実物のチェキを前提に作られているため、チェキ風カードで使う場合は、一点物であることを述べた一文だけ書き換えてください。
なお、商標について書いたのは登録されているという事実までです。どう書けば侵害にならないかの線引きは扱っていません。気になるなら専門家に相談してください。